福岡市内の 築25年・延床5,000㎡・テナント12社入居 のオフィスビルにおける、高圧受電設備(キュービクル)の段階リプレース事例です。テナント営業時間中の停電影響を最小限に抑えるため、仮設電源と段階的切替 を組み合わせ、運用に最大限配慮した工事計画 で完工しました。

ご相談内容

オーナー様・ビルマネジメント部のご相談時の課題は以下のとおりでした。

  • 築25年経過し、高圧受電設備(キュービクル)の更新時期
  • 年次点検で 絶縁抵抗の経年低下 が指摘されていた
  • 変圧器・遮断器の部品供給 がメーカーから終了通知
  • テナント12社の 営業に絶対影響を出せない
  • 「停電は週末夜間のみで済むのか?」が大きな懸念
  • 補助金活用の余地を検討したい

現地調査の結果

既存受変電設備

  • キュービクル:築25年、屋上設置
  • 変圧器(トランス):油入式、容量500kVA×2台
  • 遮断器(VCB):開閉動作回数が累計1万回超
  • 保護継電器:機械式(電子式への更新で機能向上余地)
  • 絶縁油:劣化進行中、年次の耐圧試験で要注意判定

テナント構成

  • 12社のオフィステナント
  • 営業時間:おおむね 9:00〜20:00
  • 24時間稼働サーバー室を持つテナントが1社(連続運転要件)
  • 週末営業のテナントが2社

ご提案・施工内容

「全交換」ではなく「運用に最大限配慮した段階更新」

一気に全設備を更新すると、長時間の停電が必須となり、テナント様への影響が甚大になります。そこで以下の段階構成をご提案しました。

ステップ工事内容停電時間実施タイミング
Phase 1新キュービクル設置(既存と並設)0時間平日昼間
Phase 2仮設発電機の据付・配線0時間平日昼間
Phase 3変圧器1台目(A系統)切替3時間日曜深夜2:00〜5:00
Phase 4試運転・電圧電流確認0時間切替直後
Phase 5変圧器2台目(B系統)切替3時間次の日曜深夜2:00〜5:00
Phase 6旧キュービクル撤去・銘板更新0時間平日昼間

仮設電源(バイパス電源)の活用

特に 24時間稼働サーバー室を持つテナント には、仮設発電機からの専用回路を切替工事中も供給することで、停電影響を数分の瞬断のみに最小化 しました。

詳しくは仮設電源 用語解説もご参照ください。

テナント様との調整

  • 3ヶ月前 から全テナント様に工事計画の事前説明
  • 連続運転が必要なテナント との詳細打ち合わせ(配線ルート・契約電力量の確認)
  • 工事当日の 巡回連絡体制 構築
  • 万一の不具合発生時の 即時復電フロー 整備

最新仕様への更新

新キュービクルでは以下を採用し、運用面も改善しました。

  • モールド変圧器:絶縁油不要・防火性向上・トップランナー基準適合
  • 真空遮断器(VCB):開閉性能・耐久性向上
  • デジタル保護継電器:細かい設定・遠隔監視が可能
  • 温度監視センサー:異常発熱を早期検知

補助金活用

高効率変圧器への更新は 省エネ補助金 の対象になり、活用しました。

  • 経済産業省「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」
  • 福岡県・福岡市の中小企業向け省エネ補助金

詳しくはBEMS導入補助金2026もご参照ください。

結果

  • テナント営業時間中の停電影響ゼロ で完工
  • 24時間稼働サーバー室への影響も最小限(運用に最大限配慮した工事計画)
  • 絶縁劣化リスクの解消 と部品供給切れの懸念から解放
  • 新変圧器の 無負荷損低減 で年間電気料金が約3〜5%削減見込み
  • デジタル保護継電器の遠隔監視 で、保安管理業者の対応も効率化
  • お客様より「想像以上にスムーズだった。今後の更新案件もぜひお願いしたい」と評価

このプロジェクトのポイント

  • 段階更新+仮設電源 で運用継続を最優先
  • テナント12社それぞれへの個別配慮(営業時間・連続運転要件)
  • 3ヶ月の事前準備期間 を確保したコミュニケーション設計
  • 最新仕様への更新で運用効率も改善(モールド変圧器・デジタル継電器)
  • 電気工事の主軸事業 ─ 受変電設備のスペシャリストとして対応

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